喘息

喘息の種類と症状、発作

 急に呼吸が苦しくなり、呼吸の際に「ぜいぜい」「ひゅうひゅう」という音(喘鳴という)を出す状態を喘息といいます。

 喘息の特徴は、このような呼吸困難が急に起こり、一定時間(ふつうは2~3時間から数時間)続いたのちおさまると、症状がきれいに消失して、ほとんど正常の状態に戻るという点にあります。すなわち、呼吸困難が発作性であるということが特徴です。

 原因
 喘息の原因としては、アレルギー説、感染説、自律神経異常説、心因説などいろいろありますが、主要な原因は、アレルギーであると考えられています。

 アレルゲンの種類
 アレルギーを起こさせる物質をアレルゲンといいます。喘息のアレルゲンとなりうる物質は非常にたくさんありますが、これらの物質がみな、一人の患者に対してアレルゲンとなるわけではなく、ある人にはある特定のアレルゲンが作用していることが多いものです。しかし患者によっては、いくつものアレルゲンを持つ人もあります。

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 吸収性アレルゲン
 呼吸の際に、空気と一緒に吸い込まれるもので、喘息のアレルゲンとして最も重要なものです。これには、家の中で発生する細かいちり(室内塵)や花粉、動物の毛やふけ、空中のカビ、その他の粉塵などがあります。

 特に室内塵をアレルゲンとする患者は多く、部屋の掃除、本棚の整理、布団の出し入れ、家の修理や大掃除の時などに、くしゃみがたくさん出たり、発作が起こったりします。

 経口アレルゲン
 食物や内服薬など、口から入るアレルゲンです。卵、牛乳、魚、そば、豆類、タケノコ、ホウレンソウなど各種の食物、アスピリン、パスなどの薬がアレルゲンとなることがあります。乳幼児では、食物アレルゲンとする喘息が、大人の場合よりも多くみられます。

 誘因
 喘息の原因としてはアレルゲンが重要ですが、発作は、必ずしもアレルゲンだけで起こるわけではなく、発作を誘発する種々の因子があります。

 発作の誘因となるもののうち主なものには、気候の変化、かぜ、食べ過ぎ、過労、たばこの煙、大気汚染、心労、妊娠、月経、種々の物質の臭気などがあります。

 年齢・性別と発病
 喘息は、子供のときに発病することが多く、特に男性では、全体のおよそ半数が10歳以下で発病します。しかし女性では、20歳代にも10歳以下と同じくらい多く発病します。これは月経、妊娠、出産などと関連して発病するものがあるからです。

 年齢が進むと、発病するものはだんだん少なくなりますが、若いときからの喘息が持続する人もかなりあるので、実際の高齢者の喘息は相当多いものです。

 季節・地域と発病
 喘息は、季節病の代表的なものとされているほど、季節や気候と密接な関係があります。

 発病および発病後の発作が最も多い季節は秋で、春、冬がこれにつぎ、夏には最も少なくなります。しかし高齢者の場合には、冬に発作を起こすものも多くみられます。

 これは、高齢者の喘息は、慢性気管支炎を合併することが多く、慢性気管支炎は、冬に悪化するからです。

 なお、喘息の発作は、同じ季節でも特に、季節の変わり目に起こりやすいものです。

 ただし、すべての喘息が季節と関係を示すわけではなく、あまり季節とは関係なく発作を起こす人もあります。また長期間患っていると、はじめは秋とか春に発作を起こしていたものが、1年じゅういつでも発作を起こすようになります。このようなものを非季節性喘息といいます。

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 体質
 喘息の発病には、先天的な体質と後天的な原因がともに関係します。

 喘息の原因として最も重要なものはアレルギーですが、同じようにアレルゲンに接していても発病する人と発病しない人があり、これには体質が大きな役割を果たしています。

 喘息の人の血縁族には、喘息患者がよくみられますが、これは必ずしも喘息そのものが遺伝するわけではなく、アレルギー体質が遺伝するものと考えられています。

 たとえば、喘息の患者の血縁者に喘息はみられず、じんましん、アトピー性皮膚炎、片頭痛というような、他のアレルギー性疾患しか見られない場合も少なくありません。

 アレルギー体質は、優性遺伝するものと考えられていますが、この遺伝は単純なメンデルの法則による優性遺伝ではなく、その遺伝子があっても、必ずしも発病するわけではありません。

 生後の環境によって、発病したり発病しなかったりする、条件付き優性遺伝です。つまり、アレルギー体質の遺伝子を持っていても、アレルゲンの少ない環境で生活していれば、発病しないで済むということになります。

 しかし、喘息のアレルゲンとなる物質は、私どもの生活している環境にいくらでもある物質なので、このような遺伝子を持った人は、とかく生後早期の幼児期に発病しやすいものです。

 逆にアレルギー体質の遺伝子を持っていない人でも、アレルゲンが非常に濃厚にある環境で生活していれば、ついには発病するに至ります。