糖尿病

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 糖尿病は、膵臓でつくられるインスリンというホルモンが不足するために、代謝(体の中の物質の移り変わり)がうまくいかない状態です。このため、からだに取り入れた栄養素のすべて、つまり、たんぱく質、脂肪、および糖質の代謝に乱れが目だち、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度がいつも高く、尿の中にブドウ糖(尿糖)が排泄されることになります。

 糖尿病の知識
 糖尿病の学名をディアベテス=メリトスといいます。ディアベトスとはサイフォン、メリトスとは甘いという意味です。

 糖尿病は、紀元前1500年も前に、のどが渇き、水を飲むかたわら尿が出て体が衰弱し、ついには意識を失って生命に危険を及ぼす病気として書き残されています。

 そして、キリストと同時代の学者によって、この病気はディアベテスと名づけられました。あたかもからだがサイフォンであるかのように、飲んだ水がそのまま尿として多量に排泄される病気、という意味でした。

 それから数世紀後、尿が蜜のように甘いことがわかり、18世紀に至って、初めてディアベテス=メリトス、つまり、甘い味のある尿がたくさん出る病気、という名前が付けられたのです。

 現在では、このような状態は、糖尿病のひどく進んだ時期にみられる症状であって、たとえ尿に糖が出ていなくても、また、血糖が高くなくても、糖尿病初期の体内には、すでにある一定の病変が起きていると考える学者が多くなっています。

 しかし、現代医学の見解はともかくとして、現段階では、糖尿病のときにあらわれる多くの現象の中で、誰もが証明できる症状は、糖尿と高血糖です。ですから糖尿病の存在を疑うことは、この二つを見つけることによって行われているのが現状です。

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 糖尿と糖尿病
 糖尿は糖尿病の兆候の代表的なものですが、糖尿が証明されたからといって、すべてが糖尿病というわけではありません。ですから、糖尿と糖尿病をはっきり区別する必要があります。

 もちろん、糖尿病にかかれば糖尿が出るのがふつうですが、時には糖尿がなくても糖尿病ということもありますし、糖尿が出ていても、糖尿病でないこともかなりあります。

 糖尿病でないのに糖尿が出るものとしては、腎性糖尿という状態が多く、これは腎臓の働きに先天的な異常があって、尿中にブドウ糖が排泄されやすいものです。

 このような異常を糖尿病と勘違いをして糖尿病の治療をするのは、大きな誤りということになります。

 このほか、ブドウ糖の注射を受けた後とか、ひどく興奮したり心配したりした時に、一時的に糖尿の出ることがあります。

 また、妊娠したときや、副腎皮質ホルモン剤を飲んだりした時にも、糖尿病ではないのに糖尿が出る場合があります。

 反対に糖尿がないからといって、糖尿病を否定することもできません。軽い糖尿病では、空腹時に排泄される尿には糖が含まれず、糖質をじゅうぶんに含んだ朝食(たとえば米飯二杯以上)を取ったあとに、糖尿が少し出るということが多いのです。

 糖尿病の特徴
 糖尿病の特徴はたくさんありますが、その主なものは次の二点になります。

 遺伝因子と発症因子
 第一に、遺伝性の病気ではあるが、遺伝因子だけで発病することはまずない、ということです。
 糖尿病になりやすいという遺伝子を持った人が、何らかのきっかけ(発症因子といいます)があった時に発病するのです。

 発症因子として重要なものは、
① 発育成長、肥満すること。
② 感染症に罹患すること。
③ 頻繁に妊娠を経験すること。などです。

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 血管障害
 第二に、糖尿病には血管障害がつきものである、ということです。血管障害は大きく分けて二つあり、一つはいわゆる動脈硬化です。

 特に脳の動脈および心臓の筋肉を養う冠状動脈が、ふつうの人よりも早く硬化し、いろいろな障害を起こしてきます。これらは糖尿病に特有なものではありませんが、

 糖尿病にかかっていると早く進みます。もう一つの血管障害は、細小血管症といって、毛細血管に起こる変化ですが、これは糖尿病特有の変化です。

 目下のところ注目されている部位は、目の網膜と腎臓の毛細血管です。この細小血管症が進行すると、失明したり、尿毒症という恐ろしい病変にまで追い込まれることがあります。

 このように、糖尿病は体内の代謝を円滑に営むことのできない代謝病であると同時に、血管をおかす血管病でもあることを、じゅうぶんに理解することが必要です。