糖尿病の治療

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 糖尿病は、生涯治らないと言われます。というと絶望的ですが、これは、別に悪い状態が一生続くという意味ではなく、たとえば、風邪が治るような意味での根治を期待するのは無理だということです。

 治療によって、糖尿病の症状が取れたり、尿中にブドウ糖が証明されなくなっても、決まった養生を続けないと、また再発しやすいので、糖尿病は慢性病で治らないと言われるのです。

 医師の指示に従って、支持された一定の養生を続けてさえいれば、ふつうの健康人と変わらない生活を営むことができるのも事実です。

 正しい治療とは
 糖尿病を良いコントロール下に置くことが、正しい治療といえます。良いコントロール下に置くというのは、近眼の人が、度のあったメガネをかけるのと同じと解釈すればよいでしょう。

 体内でのインスリンの働きの不足を解消し、代謝をできる限り正常に近づけ、そのよい状態をずっと維持していくことにほかなりません。

 このコントロールが良いか悪いかを見るために、医師はいろいろの検査を定期的に行ってチェックするわけです。コントロールの基準としては、次のことがあげられます。

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① のどの渇き、からだのだるさなど、糖尿病の症状がないこと。
② 食前の尿に、ブドウ糖が証明されないこと。
③ 朝食前の血糖値が、健康者並みであること。
④ 血液中のコレステロールが、正常範囲内にあること。
⑤ 太り過ぎていないこと。

 以上の経過を見てもらうためには、2週間に1回、あるいは1カ月に1回、専門医に定期的に調べてもらうことが望ましいわけです。

 治療の三つのかなめ
 糖尿病を良いコントロールのもとにおくためには、食事療法、運動療法、薬物療法の3つの治療法が重要で、これが糖尿病治療のかなめといえます。

 しかし、なんといっても、基本は食事療法と運動療法です。これだけで効果が上がらないときに、初めてインスリンや内服薬が用いられるのです。

 食事療法
 糖尿病の食事療法は決してむずかしいものではありません。過食を避け、栄養素を配合よくとることに尽きます。つまり、標準体重を維持する程度に食事全体のカロリーを制限し、しかも、各種の栄養素をまんべんなくとることです。

 1日に摂取すべきカロリーは、現在の体重ではなく、標準体重から計算したものを目標にします。

 標準体重とは、身長から100を引き、それに0.9を乗じたもので、この重さの1割増し、あるいは1割減の範囲内とします。

 なお、必要カロリーの決定は、主治医の指示に従うべきですが、だいたいの目安は、社会活動を営んでいる人で標準体重1㌔につき約30㌍というところです。

 食事療法についての誤解
 食事療法での大きな誤解は、何が良いとか、何が悪とか言われていることでしょう。たとえば、ピーナッツは糖尿病に良いとか、ウィスキーは良いが、日本酒やビールは悪い、などとよく言われますが、すべて誤りです。

 ピーナッツは、元来カロリーの多い食品なので、むしろ、糖尿病には警戒を要する食べ物です。

 また、ビール1本はご飯1杯、日本酒1合もご飯1杯、ウィスキー80㌘もご飯1杯と同じカロリーを出すと考えれば、アルコール類のどれでも好きなものを適量に飲むことができるわけです。

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 もちろん、1日に必要なカロリーを全部をアルコールに置き換え、それだけを飲むということは許されません。要は、良いといわれているものでも、量が多ければ悪い結果をもたらしますし、悪いといわれているものでも、量を心得てさえいれば、なんら害はないのです。

 糖尿病の食事療法は一生続けなければなりません。量を制限し過ぎたり、いろいろなものを偏食にならないように、バランスのとれた食事を続けるべきです。

 運動療法
 運動は、体内の代謝を促進し、ブドウ糖の消費量を高めますが、それ以外にもいろいろな効果がありますから、軽症の糖尿病では、積極的に運動を行うことがすすめられます。

 運動は、毎日規則正しく行うことが原則で、変則的に過度の運動を行うことは好ましくありません。運動の程度や種類は、専門医の指示によることが大切です。

 なお、血管系の合併症がある場合は、過激な運動は禁止されます。高血圧、冠状動脈硬化症などがある場合は、血圧や心臓の状態を考えた上で運動量が決定されます。

 薬物療法
 糖尿病の薬物療法のおもなものは、膵臓ホルモンであるインスリンによる治療法ですが、近年、さらに経口糖尿病薬が何種類か発見されています。これらの薬を上手に選んで用いる限り、糖尿病患者といえど、ふつうの人と同じような活動ができるのです。

 ただし、どのようなときに、どのような薬物療法を受けるかは、かかりつけの医師の指示に従うべきで、薬局からかってに薬を購入し、自己流のやり方で治療することは、絶対避けなければなりません。