胆石症

 胆嚢や胆管の中にできた石を胆石といい、この胆石の原因になって起こる病気を胆石症といいます。

 胆石の大部分は、胆汁の成分をもとにしてできるものを、特にコレステロール(ろうのような脂肪に似た物質)を主成分とするものと、ビリルビン(胆汁色素)を主成分とするものが多く、したがって、胆石は一般にコレステロール系石とビリルビン系石とに大別されています。

 胆石を持つ人
 胆石を持っている人は、症状のあらわれない人も含めて、しだいに増える傾向にあります。

 胆石を持つ率
 20歳以上の日本人については約5%、つまり100人に5人は胆石を持っていると考えてよいでしょう。

 できやすい性別と年齢
 男女別にみると女性に多く、わが国でも女性が男性の1.2~2.0倍ですが、ヨーロッパやアメリカの国々では3~4倍にもなるといわれています。

 年齢的には40~50歳代から多くなり、70歳代でピークとなりますが、20歳代の若い人にも少なくありません。11~12歳で胆石を持っている子供もいます。

 若い人ほど女子に多く、高齢者になるにつれ男性にも比較的よくみられる傾向があります。

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 胆石のできやすい体質
 胆石はやせた人にもできますが、一般に脂肪食を好む肥満型の人に多くみられます。特にコレステロール系石は、この傾向が強いようです。

 胆石の性状と数
 古くから日本人の胆石は胆管内にあるビリルビン系石が多く、欧米人のものは胆嚢内のコレステロール系石が多いといわれてきましたが、最近では日本人の胆石もコレステロール系石が多くなり、50~60%を占めています。

 これは食習慣の変化、特に脂肪量の増加や回虫寄生率の減少などに関係があるようです。

 コレステロール系石は淡褐色から褐色のものまであり、やや硬く、断面は放射状構造になっています。ビリルビン系石はもろく、色は暗褐色か黒色で、レンガや土塊のように見え、断面は層状構造になっています。

 胆石にはこのほかに、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム、または脂肪酸カルシウムを主成分とするものもあります。

 原因
 胆石は、胆汁の成分の変化、胆汁のうっ滞、胆道の炎症などが起こると出来やすいと言われています。

 特にコレステロール系石は胆汁内のコレステロールの濃度が上昇するほか、コレステロールを溶かすのに役立つ胆汁酸やレシチンの不足が原因となります。

 肥満者で脂肪を多食する人、妊娠出産の多かった人、多忙でストレスの多い人、産業を主とする人、いつもコルセットなどをきつめに締める習慣の人、便秘傾向の人などでは、このような症状を超しやすいといわれています。

 特にビリルビン系石は、炎症と関係が深く、胆道に感染が起こると、抱合ビリルビンを分解する酵素が増えて、ビリルビンが溶解されにくくなり、固まって石を形成します。

 妊娠中や妊娠後に胆石ができやすいのは、この時期に血液や胆汁中のコレステロールが増加すること、胎児が成長するにつれて胆道が圧迫されて、胆汁うっ滞を起こしやすいことがあげられます。このほかに、ホルモンの異常も、一つの原因と考えられます。

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 症状
 胆石症の最も特徴的な症状は、胆石疝痛発作です。これは夕食に脂肪の多いものを食べた数時間後の夜半に、突然激しい右上腹部痛で始まることが多く、痛みは右肩や右背中に響き、冷や汗を出したり、黄色い液を吐いたりします。

 多くは数分ないし数時間で症状はなくなりますが、痛みが強いときには、病院で痛み止めの注射をしてもらう人が多いものです。

 胆石の疝痛発作は胆石のお産ともいわれ、疝痛は陣痛にたとえられています。陣痛によって胆石が胆管から腸内に排出されることもありますが、多くの場合は効果のない陣痛で、胆石は胆道内に逆戻りします。

 排出もされず、戻りもしなくなった状態が、かんとんで、このときは、外科的手術をして取り除かなければなりません。

 疝痛発作がおさまり、痛みがない時期には、あまり目立った症状はありません。しかし右上腹部や右背中の圧迫感や便通異常、特に便秘、腹部のはる感じなどを訴える人もいます。

 ビリルビン系石の場合は、胆管内にあることが多いので、痛みとともに黄疸や発熱があらわれます。

 胆石があってもはっきりした症状の出ない場合があります。これを無症状胆石(サイレントストーン)と呼んでいますが、胆石のうち5分の4はサイレントストーンといわれ、胆石を持ちながら、無症状で一生を過ごす人が大勢います。