胆嚢炎・胆管炎

 胆嚢や胆管に細菌が感染して起こる病気です。胆嚢炎と胆管炎は合併して起こることが多いので、一括して胆道炎または胆道感染症と呼ぶこともあります。急性のものと慢性のものがあります。

 原因と誘因
 細菌感染は胆汁のうっ帯や胆石があると起こりやすくなります。原因となる細菌は、大腸菌が最も多くて、50~80%を占めています。細菌が腸から胆管内に逆流して起こります。そのほか血液やリンパ液を介して起こることもあります。

 胆石があれば胆嚢炎や胆管炎を起こしやすく、炎症があれば胆石を作りやすくなります。

 胆石が合併している場合、有石胆嚢炎、有石胆管炎といい、胆石がなければ無石胆嚢炎、無石胆管炎といいます。無石炎症の場合、手術の成績は比較的良いので、有石か無石かの区別をはっきりさせてもらうことが望まれます。

 また、胆管に多いビリルビン石は、胆管炎を合併しやすく、治療の効果があがりにくいものです。

 胆道炎がひどくなると、肝臓に及んで肝膿瘍を、膵臓に及んで膵臓炎を合併したり、腹腔内に破れて胆汁性腹膜炎や横隔膜下膿瘍を起こしたりします。さらに全身に波及して、敗血症を招くこともあります。

 腸チフスを合併すると、チフス菌が胆嚢内に住みついて、胆嚢炎自体はひどくないのに、保菌者として常に腸チフス菌と便と一緒に排出し、感染源となることもあります。

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 症状
 症状がごく軽い場合は単に上腹部の不快感、吐き気、腹部膨張感などのほか、上腹部、右の上腹部、右背中に鈍い痛みや、右肩のこりなどを覚える程度です。

 胆石が合併しているときには、胆石症と同じような症状や、合併症があらわれますが、無石胆道炎のときには、胆石症と区別することはかなり困難です。

 胆石の有無は、治療方針、特に手術の適応を決めるのに大切ですが、胆道の炎症では、胆嚢造影法によっても胆嚢がよく写らないことが多いので厄介です。

 そこで医師は胆汁検査で胆汁の中の細菌を顕微鏡で確認し、さらに培養を行い、化学療法の抵抗性までも確かめます。

 急性期の症状
 胆嚢炎では、上腹部の痛みと同時に発熱します。痛みは胆石症と同じように発作性疝痛性のことも、持続性のこともあり、熱は39~40度にも及びます。

 胆管炎では、黄疸のあらわれることが多く、右季肋部の腹壁は緊張し、圧迫すると痛みが強くなります。熱は高熱が続いたり、一度下がってまた高熱となったりすることがあり、吐き気も強く、実際に吐くこともあります。

 炎症のために胆嚢が化膿を起こし、胆嚢壁が破れて穴が開き(穿孔)、胆汁性腹膜炎を起こすと、症状はきわめて重い状態となります。

 急性炎症のときには、ただちに医師の診断を受けなければなりません。特に発熱や黄疸が続いたり、痛みが取れないで、しかもしだいに強くなり、腹部に触れただけで痛いようになったときには、穿孔の恐れがあります。このような場合、早期に手術をしないと生命にかかわることがありますので注意が必要です。

 慢性期の症状
 胆石症と似た症状を示すので、胆石症と区別しにくいことが少なくありません。右季肋部や上腹部に軽い痛みや不快感を覚え、これを、数日ほどの間隔で繰り返します。黄だんや発熱を見ることもあります。

 症状は、脂肪の摂取過量や過労などによって強くなり、吐き気、食欲不振、げっぷ、腹部膨張感などが出てきます。

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