体温のとらえ方

 体温とはなにか
 体温は、基礎代謝、筋肉運動などによって生成され、皮膚の表面、呼気、排泄物などから放散されています。

 このような熱の生成や放散を調節して、一定の体温を保つ働きをしているのは、脳の体温調節中枢といわれるところです。

 血液の温度が上下したり、皮膚が外気の温度の変化を感じたりすると、この熱の中枢が働いて、熱の生成や放散を促し、体温を一定に保つのです。

 病気のときに熱が出るのは、この体温調節中枢が破壊されたり、異常な刺激を受けたりするためです。

 変動する体温
 身体の中の温度をいちばん完全に示すのは直腸温(肛門ではかる)、以下口腔温(口の中ではかる)、腋下温(わきの下ではかる)の順に少しずつ低温になります。

 また、体温は時間によっても上下し、明け方が最低、夕方に最高となりますが、1日の間に変動する幅は、1℃以内がふつうです。

 したがって、同じ部位で同じ時間に測定しなければ、正しいデータは得られません。特に、入浴、食事、運動のあとは、一時的に体温が上がりますから、少なくとも1時間ぐらいたってからでないと正確には測れません。

スポンサードリンク

 体温の測り方
 腋下検温
 わきの下の汗をよくぬぐい、体温計の水銀僧の部分をわきの下の最もくぼんだ所に、前下方から後ろ上方に向かって斜めに入れ、軽く腕組みした状態ではかります。

 左右のわきの下では、0.1~0.4℃の差があるので、いつも同じ側ではかりましょう。

 口腔検温
 測る前に、ものを食べたり水分を取らないようにします。水銀僧の部分を舌下中央部にあて、軽く口を閉じた状態で測ります。意識障害あるいは小児のけいれんなどの場合は、この方法は避けます。

 直腸検温
 すべりをよくするために体温計にワセリンなどの潤滑油を塗り、水銀槽の方からゆっくり肛門に挿入します。挿入する深さは約3~5㌢として、いつも同じ深さのところではかります。

 この方法は乳児によく使われますが、下痢や肛門の周囲に皮膚炎などがあるときは、検温が刺激になるので不適当です。

 体温が異常なとき
 体温には年齢差や個人差がありますが、成人の場合、便宜上36℃以下を低熱、36~37℃を平熱、37~38℃を微熱、39℃以上を高熱と呼んでいます。

 しかし、実際にはこういう呼び方よりも、正確な測定値を用いる方がよいでしょう。健康なときに体温をはかって、平熱を知っておくことが大切です。

 発熱に伴う症状
 自覚症状としては、食欲不振、全身倦怠、疲労感、動悸、また、からだを動かすときに呼吸困難を感じることもあります。

 また、急激に熱が上がるときには寒気、悪寒などの前駆症状を示すことがあります。さらに、脈拍、呼吸が増加し、消化液の減少、口腔粘液の乾燥、舌苔(舌の表面にできる灰白色の苔のようなもの)ができたりします。

 子どもは、わずかな発熱でもひきつけを起こすことがあるので注意しましょう。

スポンサードリンク

 発熱したときの手当
 一般的な手当てとしては、次のようなことがあります。

・ 体力が消耗するので、不必要にからだを動かすことをさけ、安静にします。

・ 氷まくらや氷嚢で解熱をはかります。

・ それでも解熱しないときは、病人の体力が消耗しますし、他の感染も考えられるので、医師に連絡しましょう。

・ 寒気がするときは、掛け物を多くしたり、あんかを入れ、暖かい飲み物を与えます。寒気がおさまったら、あとは発熱による発汗を考えて、過温にならないように注意します。

・ 高温、多湿の環境にいると体温の放散がうまくいかないので、体温が上がります。病室の温度は18℃、湿度は55~70%に保ちます。

・ 熱い湯で絞ったタオルでからだをふいて汗をぬぐってやりましょう。これは「あせも」の予防にもなります。発汗が多くいつまでも続くときは、肌に直接タオルを当て、たびたび交換するとよいでしょう。このときは、すきま風をさけて手早くやります。

・ 口腔内の清潔を保つためにうがいをさせます。

・ くちびるが乾燥するので、荒れるのを防ぐようにしましょう

・ 飲み物をじゅうぶんに与えましょう。