小腸がん・膵臓がん

 小腸がん

 小腸に発生するがんをいい、大変まれな病気です。

 小腸がんの診断はむずかしく、腹がはる、腹が鳴る、腹痛、原因不明の体重減少、出血などの訴えで病院に行くことが多いのですが、手術前に診断が付けられることは少ないものです。

 小腸は長い臓器で、X線で見ても端から端まで造影剤が通過するのに長い時間がかかり、しかも腸がたがいに重なり合っているので陰影異常の発見がしにくくなっています。

 したがって、X線ではがんのために腸が狭くなって造影剤が通らなくなったり、外部からがんの明らかなしこりが触れるようにならないと見落とされることがしばしばです。

 しかし、やや都合のよいことに、小腸がんのできやすい十二指腸や小腸の終末部などはX線で見やすい部分ではあります。

 症状があらわれてから手術を受けるまでの期間は、平均3~8ヶ月と短いのに、それでも結果的に手遅れのことが多く、完全に治る人は少ないものです。
 
 もちろん、早く発見されて手術さえすれば、完全に治ることは他の臓器のがんと同様です。

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 膵臓がん

 膵臓は腹腔の後壁に接して横に走る細長い臓器で、頭部、体部、尾部の三部に分けられます。この膵臓に発生するするがんが膵臓がんです。

 膵臓がんは膵臓の腫瘍のうちで最も多くみられますが、その75%が膵頭部に、残りの25%が体尾部に発生します。全消化器がんの中でも5位ないし6位を占め、決してまれな病気ではありません。

 年齢的には60歳前後、性別ではやや男性に多くみられます。膵臓がんは、消化器がんの中でも最も悪性で、手術をしても完全になおる人はきわめて少数です。
 
 その理由はいろいろありますが、第一には膵臓がんは解剖学的な特殊性から容易に門脈に波及し、血流にのって肝臓に転移する傾向があり、また周囲の重要な臓器に連続的に広がりやすいこと、第二に、膵臓がんには特徴的な症状が乏しく、また胃や腸のように造影剤を用いたX線検査や内視鏡検査で、直接その形態を調べることができないために早期の発見がきわめてむずかしいことです。

 症状
 膵頭部のがんと膵体尾部のがんは、同じ膵臓がんでも、あらわれる症状が違います。

 膵頭部がんの症状
 早期に総胆管に波及して、これを閉塞するために、ひどい黄疸があらわれます。この黄疸は、激しい痛みを伴うことはなく、常に進行性で、その経過中に軽くなることはありません。

 同時に、大きくなった胆嚢を右上腹部(右李肋部)に無痛性のしこりとして触れるようになります。黄疸のあらわれる数ヶ月前から全身のだるさ、食欲減退、上腹部の不快感や鈍痛などが見られますが、他の胃腸の病気との区別は困難です。

 膵体尾部がんの症状
 おもな症状は、夜間に増強する上腹部の持続性の痛みで、左の肩や背中に放散します。心窩部(みぞおちの部分)や左上腹部(左李肋部)にかたいしこりを触れますが、圧痛はひどくありません。黄疸は末期になってはじめてあらわれます。