食事の世話

 病人の食事の考え方

 大切な三つの要素
 健康な生活を送るためには、食事から次の三つの要素をとることが必要です。

 一つは、活動源となるエネルギーを作り出すもので、おもに糖質や脂肪類です。次は、身体組織をつくり維持するために必要で、抵抗力のもととなるたんぱく質です。そして、からだの中に入った糖質や脂肪、たんぱく質などが、それぞれの目的をじゅうぶんに果たせるように調整の役目をするミネラル、ビタミン、水分などです。

 以上の要素のうち、どれが欠けても健康を保持、増進させることはできません。

 また食事には、楽しみという面もあります。材料の組み合わせ、色彩、調味、季節感など、食べることのなかには、人間の無限の欲求が込められています。

 以上述べたような食事についての原則は、健康人の場合も病人の場合も全く変わりありません。

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 食事療法の役割
 病気のために食事を制限しなければならないことは大変つらいことです。

 しかし、薬物や手術、理学療法などと同じように、食事は病気をなおすための重要な手段の一つであり、治療の基礎になるものです。食事のあり方しだいで病気が悪化することもよくあるのです。

 特に糖尿病や腎炎、肝硬変などでは、食事療法が中心になっているほどです。

 いっぽう、医学の進歩とともに、食事療法の内容が変化してきていることにも注目したいものです。たとえば、かつて肝硬変ではたんぱく質は制限すべきだとされていましたが、今では、逆に多くとるようになります。

 また糖尿病で制限されていた糖質も、現在ではある程度必要だと考えられるようになりました。

 酸性食品とアルカリ性食品の知識
 正常なからだの血液は、pH(ペーハー)7.2~7.4で弱アルカリ性の状態です。ところが病気になると、血液が酸性になりやすいものです。
 
 食事療法に合わせて、どんな食物が酸性食品であり、アルカリ性食品であるかを知って、料理のバランスをとるように努めましょう。だいたいの目安は次の通りです。

・ 酸性食品 リンを多く含む肉、卵、貝類、米・麦などの穀類、酒、バター、油、砂糖など。

・ アルカリ性食品 カルシウムを多く含むのり、野菜、果物などの植物性の食品。

・ 中性食品 リンとカルシウムの割合が2対1の食品が中性で、牛乳やヨーグルトなどが代表的な中性食品です。

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 食事のさせ方

 食事時間を規則正しくすること、食器、食卓、手などの清潔、落ち着いた雰囲気をつくることなどに心を配りましょう。

 食べさせてあげるときは、一口の量、噛む時間などのリズムに合わせて行います。食後30分は安静にします。

 ベッドに寝たまま食べる場合、ベッドの上に起きて食べる場合、いずれにしても食事用のビニ―ルかシーツを用意するとよいでしょう。

 よほど重い病気の人でない限り、食事はなるべく自分でするように、いろいろ工夫してあげたり、励ましてあげることが大切です。

 まひのある人なら、自分で食事をすることは機能訓練にも通じることですし、手の不自由な人に便利なスプーンやお皿など市販されています。