睡眠環境

 病人の身の回りの条件を整えて、できるだけ眠りやすいように工夫してあげたいものです。

 寝具
 寝床は、病人にとっての生活の場ですから、1日たつとシーツにしわもより、汚れたりして寝心地が悪くなります。就寝の前には、特に夏など、寝具に新鮮な空気を通し、ゴミをのぞいて寝心地良く整えてあげましょう。

 また冬は、寒くないように掛け物や温度の状態などにも気を配りましょう。

 照明
 暗くないと眠れない人、逆にうす明りがないと駄目な人などさまざまですが、その人の好みにあった状態にしてあげましょう。

 うす明りが必要な人の場合は、明りが直接病人の顔を照らさないよう、足もとに光をむけます。床に光源を置き、足もとを照らします。

 いずれにしても、照明は病人が自分で操作や調節できるように工夫してあげます。

スポンサードリンク

 騒音と人声
 病気で眠れないときには、わずかな物音でも神経がいらだち、また、寝ついたとしても眠りが浅く、いちど目が覚めるとなかなか寝つかれないものです。できるだけ静かな雰囲気をつくるようにしましょう。

 また、「静かに」と思って気を利かせてするひそひそ話は、思ったより病人の神経を刺激するものですから注意しましょう。

 室温と換気
 室温は常に適温を保ちましょう。換気にも常に注意しなければなりません。

 小害虫の駆除
 蚊やハエなどのために神経が刺激されたり、刺されたためにかゆくて眠れないことがよくあります。就寝前には、これらの害虫の駆除をしましょう。

 刺激を避ける
 就寝前に、興奮を誘うような飲み物を飲んだり、テレビを見たりすることは避けます。ただ個人差がありますから、病人の性格に合わせて適宜配慮する必要があります。

 違和感を取り除く
 心身がさまざまな違和感があると、睡眠の妨げになりますから、できるだけそれらを取り除くような配慮が必要です。

 痛みがあるとき
 痛む部分を高くし、動かさぬように固定すると痛みが和らぎます。頭痛の場合は、氷まくらを用いると効果があるときもあります。

 かゆみがあるとき
 タオルなどを、ぬるめのお湯に浸して軽くたたくようにしてふくと、かゆみが軽くなります。また、黄だんがあるためにかゆいときには、重曹を入れたお湯でふくと効果があるといわれています。かゆみの原因にもよりますが、カラミンローションをつけるのも一つの方法です。

 しつこいかゆみのあるときは、あらかじめ医師に薬を処方してもらい、就眠前に服用するのもよいでしょう。いずれにしても、室温は低めにした方がかゆみを増しません。

 眠れないのが気になる人
 本当に眠れないのか、眠れないと思い込んでいるだけなのか、よく観察しましょう。

 本当に眠れないためには、頭痛、イライラ、頭がぼんやりするなどの症状があれば、医師に相談して睡眠薬を処方してもらいます。そのとき、病人の睡眠の型を医師に告げれば、それに適した睡眠薬を処方してくれます。

 また、睡眠時間がじゅうぶんでも、少しの物音でもすぐ目が覚めたりする眠りの浅い人も、医師に相談するとよいでしょう。

 いっぽう、睡眠はじゅうぶんとれているのに、眠れないと思い込み、心配する人があります。このようなときは、眠ろうとしてあせりイライラするばかりですから、眠るということにあまり気を使わせないようにします。

 眠れなくてもどうということはないというように楽な気持ちにさせ緊張をといてあげましょう。

スポンサードリンク

 夜中の発作が心配な人
 気管支ぜんそくや心臓病の患者は、夜間に突然発作が始まることが多いので、そのことが心配で眠れない人もあります。このような場合は、家人がそばで寝るとか、ベルを用意して発作が起きたらすぐ家人に知らせることができるように工夫します。

 また発作が起きた場合はすぐ適切な処置がとれるよう、専門医と相談して万全の準備をしておきましょう。病人にはこのような準備があることをよく説明して、安心させることが大切です。

 睡眠を中断しない
 睡眠の量がじゅうぶんとれるようにするには、いったん寝ついた病人を途中で起こしたりしないように心がけます。たとえば、朝型の睡眠の人の場合、朝深い眠りに入っているのに、薬を飲む都合などで起こしてしまうことがよくあります。

 眠りにくい病人の場合、時間を決めて飲まねばならない薬でも、専門家とよく相談のうえで、睡眠の状態に合わせて投薬時間を融通することが必要です。

 安静を保つ
 睡眠は、最もよく休息がとれるわけですが、病気の種類や程度によっては、動くことを制限され、昼間でも静かに寝ていることが必要な場合があります。この状態を安静といいます。

 病気の種類と程度によっては、この安静が薬以上に病気の治療にとって大切なことがあります。医師の指示によって安静が必要とされた場合、看護する人はその指示通りに、病人の安静な生活を保障しなければなりません。

 また、特にそのような支持がない場合でも、病人が疲れたらすぐに安静の状態が取れるように、いつも心がけたいものです。