精神疾患

老年痴呆

 平均寿命が著しく伸びてきたことに伴い、脳卒中や心臓病などのいわゆる成人病が大きな問題となってきています。しかし、高齢者を脅かしているものは、身体の病気だけでなく、老年期に起こりやすい種々の精神障害についても注意しなければなりません。

 もちろん老齢を感じさせない高齢者もいますが、高齢者の心の病気は心身両面での力の低下、力の減退によって起こるという特徴があります。

 痴呆
 高齢者の精神病で最も問題となるのは痴呆ですが、60歳以上の全人口の1.65~4.9%を占めるとされており、高齢者の痴呆の約4分の3は動脈硬化によるいわゆる脳動脈硬化性痴呆と、ほかに老年痴呆があるとされています。

 脳動脈硬化性痴呆は老年痴呆より少々発病年齢は早い傾向があります。

 症状
 脳動脈硬化性痴呆では、病識(病気にかかっていることを意識する)があり、表面上は愛想もよく善人といった感じです。

 時や場所などの見当識障害、最近の事柄についての記憶力・記銘力障害、などが明らかに出るわりに、計算力などはよく保たれており、老年痴呆のすべての知能能力が低下するのとは異なります。

 しかし進行すると無関心、高いレベルの感情の消失、判断力低下、反社会的行動などもあらわれますが、人格の崩壊はまずまずまぬがれ、この点は老年痴呆とは違います。

 老年痴呆では病識はありませんが、脳動脈硬化性痴呆の場合は病識があるため、自己の知的能力の低下などを悲観し抑うつ的となり、生命に危険を及ぼすことを試みたりすることがあります。また妄想も多くなり、特に被害妄想、関係妄想などが多いものです。

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 予後
 老年痴呆では徐々に進行しますが、動脈硬化性の場合は脳血管障害の発作(たとえば脳出血、脳梗塞)をきっかけにして、段階的に憎悪することが多くみられます。

 また脳の循環を改善する脳血管拡張剤に反応していくらかよくなるようなこともまれではありません。脳は、脳動脈撮影などで両者を区別することはできません。脳波は明らかに異常を示すのが常です。

 うつ病
 高齢者では近親者や友人の死去、病気、定年退職など抑うつ的になる原因が多く、抑うつ状態は少ないものではありません。

 躁うつ病の約4分の1は60歳以上の高齢者ではうつ状態が強く70歳以上では減少の傾向を示します。高齢者のうつ病では妄想が多く、年長、視力障害なども加わって被害妄想があらわれやすいものです。

 また頑固な不眠を訴えることも多いもので、こられは若年者と違うところといえます。治療は若年者の場合と同じです。

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