温泉療法

温泉の種類温泉療法のいろいろ温泉の作用と効果

 温泉療法の歴史
 温泉を医療に用いた記録は非常に古くエジプトやアラビアの古代史や、インドの仏典にもみられますし、古代ギリシャのヒポクラテスも、温泉の飲用や、浴用について述べています。

 わが国でも「伊予風土記」に、景行天皇、仲哀天皇が、4世紀ごろ道後温泉に行幸した記録がみられます。

 わが国の医学者で、はじめて温泉を医学的に論じたのは、江戸時代の後藤良山(1659~1732)で、宝永6(1709)年に城崎温泉に滞在し、当時の一気留滞論という独特の学説から、浴法、飲泉法を明らかにしました。

 明治時代になるとドイツ医学が入ってきて、温泉研究は一段と盛んになりました。なかでも東京帝国大学のベルツ博士は、多くの温泉に関する研究を発表し、またわが国独特の「時間湯」や高熱浴を外国に紹介しました。

 わが国の近代的な温泉療法学は、昭和6(1931)年、九州帝国大学温泉治療研究所が別府に設けられたときに始まります。以後現在までに、北海道、東北、岡山、福島、弘前、群馬、鹿児島の各大学にも、温泉研究所や病院が設けられています。

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 西欧では、1878年にドイツで温泉治療学会が生まれましたが、わが国ではこれより60年遅れて、昭和10(1935)年に日本温泉気候学会が設立されました。

 第二次世界大戦後は、アメリカからリハビリテーション医学が導入され、温泉地にも温泉リハビリテーション病院が次々と設立されました。しかし一般には、名前は温泉病院でも温泉療法というよりリハビリテーションに重点がおかれ、温泉医学はやや後退の傾向がみられます。

 今後は、公害病、職業病、成人病などとの関係から、温泉気候療法がもっと積極的に取り上げられ、盛んになることが期待されます。

 温泉の利用

 温泉の医学定期利用法
 第一は、保険医学あるいは厚生的利用法で、病気の予防に応用するもので、保養とか休養というのがこれにあたります。

 第二は治療医学的利用で、療養とか湯治がこれにあたります。

 最後は、「第三の医学」といわれるリハビリテーション、つまり病気の治療の仕上げや、社会復帰のための機能回復を目的とするものです。

 これらの三つの目的のために温泉療法を行うわけですが、わが国では、主として温泉入浴という形で利用しています。しかし、外国やわが国でも一部の温泉では、その他のいろいろな方法も行われています。

 じょうずな温泉療法のしかた
 効果的な温泉療法を行うには次のようなことを心得ておかねばなりません。

 一定のからだの条件が必要
 温泉療法を行うためには、からだが温泉の作用にたえ、これに反応する力を持っていなければなりません。反応を起こす力がからだになければ、温泉の効果が表れないだけでなく、刺激に過敏な人は、かえって病状が悪くなるでしょう。

 医師の指導のもとに温泉療法を始めようとするときには、まず病気の診断を確実にし、同じ病気でも、症状や病気の時期が温泉療法に適しているかどうかをよく検討してもらいましょう。

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 しろうと判断で「温泉へでも行ってみるか」というようなやり方は避けるべきです。できれば。専門家(温泉指導医)や温泉病院のある温泉地へ行き、その指導をうけながら治療するのがよいでしょう。

 また厚生省が指定している国民保養温泉は全国で60ケ所ほどありますが、それを利用するのもよいでしょう。

 過信は禁物
 いろいろ治療したが、どうもよくならないから温泉へというように、温泉に神秘的な治癒力を期待するのは妥当ではありません。温泉は、「とっておき」最後の治療法ではないのです。