温泉の種類

 温泉とは、天然あるいは人工的に地中から表面に出てきた水で、温度がその国の平均温度(わが国では25℃)より高いもの、または一定量以上の物質やガス、放射能を溶かしこんでいるものをいいます。温泉は次のように分類できます。

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 温度による分類
 高温泉(42℃以上)、温泉(42~34℃)、微温泉(34~25℃)、冷泉(25℃以下)に分けます。このうち、高温泉と温泉をあわせて療養泉と呼ぶこともあります。

 からだに与える効果による分類
 からだの緊張を解く緩和泉と逆に緊張させる緊張泉とに分けます。

 水素イオン濃度{pH(ペーハー)}による分類
 酸性泉(pH6以下)、中性泉(pH6~7.5)、アルカリ性泉(pH7.5以上)に分けます。酸性泉を強酸性泉(pH2以下)、酸性泉(pH2~4)、弱酸性泉(pH4~6)に、アルカリ性泉を弱アルカリ性泉(pH7.5~8.5)、アルカリ性泉(pH8.5~10)、強アルカリ性泉(pH10以上)に分けることもあります。

 成分による分類

種類 成分 特徴
単純温泉
(単純泉)
25℃以上の温度で1㍑中の含有成分1㌘以下のもの。特にアルカリ性のものをアルカリ性泉という。温泉のうちで、数は最も多い。 無色、無味、無臭。入浴した感じはふつうの温泉と同じだが、湯冷めはしない。入浴後さっぱりする。アルカリ性泉では浴後皮膚がすべすべして冷えるので「冷え湯」の別名がある。
(単純)炭酸泉 1㍑中に遊離炭酸1㌘以上、他の成分は1㌘以下。 見たところは単純泉と同じだが盛んに泡がたつ。ぬるくても入浴すると暖かく感じる。味はプレンソーダ様、温度は低いものが多い。「泡の湯」の別名がある。
重炭酸土類泉 1㍑中1㌘以上の成分があり、陰イオンとしてヒドロ炭酸イオン、陽イオンとしてカルシウム、マグネシウム(土類という)を主成分とする。 無色、無臭で、飲むと炭酸ガスのためさわやかな感じがある。出たばかりの時は澄んでいるが、しばらく置いたり、煮たてると白く濁る。石けんの泡立ちは悪い。
重曹泉
(アルカリ泉)
1㍑中1㌘以上の成分があり、陰イオンにはヒドロ炭酸イオン、陽イオンにアルカリイオン(つまり重曹)を主成分とするもの。 無色、無味か、かすかな辛みがある。飲むと重曹を飲んだ感じがする。入浴すると皮膚がすべすべになり、清涼感があるので「冷えの湯」の別名がある。
温度のかなり高いものもある。石けんは使える。
食塩泉 1㍑中1㌘以上の成分があり、陰イオンとして塩素、陽イオンとしてナトリウム、つまり塩類では食塩を主成分とする。食塩が1~5㌘を弱食塩泉、15㌘以上を強食塩泉という。 一般に無色、無臭で澄んでいる。味は塩辛い。強食塩泉となると石けんは使えない。また入浴後ほかほかとして暖まるので「熱の湯」の別名がある。
含重曹食塩泉 食塩泉で特に重曹を多量に含むもの。 食塩泉と重曹泉の中間の効き目がある。
芒硝泉
(硫酸塩泉)
1㍑中1㌘以上の固形成分があり、陰イオンとして硫酸イオン、陽イオンとしてナトリウムを主成分とするものは芒硝泉、カルシウムを主とするものは石膏泉、マグネシウムを主とするものは正苦味泉、食塩を含んだ芒硝泉を含食塩芒硝泉という。 無色、無臭、透明であるが、飲むと特有の苦みがあるので苦味泉の名がある。浴後は暖まる。湯の出口によく白い湯あかがつく。「屁の湯」「中風の湯」と呼ばれるものが少なくない。
鉄泉 1㍑中鉄イオン0.01㌘以上を含有するもの。陰イオンとしてヒドロ炭酸イオンを主とするものは炭酸鉄泉、硫酸イオンを主とするものは緑ばんという。 炭酸鉄泉は鉄分が多いときは褐色か黄色をおび、湯の出口では澄んでいても、汲んでおけば赤褐色に濁る。飲むと渋い。湯船に赤さびがつく。緑ばん泉は無色、無臭であるが、時には微黄褐色を呈し、飲めば鉄の味と渋みがある。火山地方に多い。
酸性泉 多量の水素イオンを含む。多くは硫酸または塩酸の形で存在し酸性度は強い。酸性ミョウバン泉、酸性緑ばん泉として火山地方に多い。 酸性ミョウバン泉、緑ばん泉、硫化水素泉はそれぞれ特有の色、におい、味がある。活火山地帯に多く、日本独特ともいえる高温の温泉である。
酸性ミョウバン・緑ばん泉 酸性で、ミョウバン泉、緑ばん泉とほぼ同じ。 特有の色がある。
ミョウバン泉 1㍑中1㌘以上の成分があり、陰イオンは硫酸イオン、陽イオンはアルミニウムを主成分とする。塩類主成分はミョウバン。 無色、時には微青色を呈する。透明でにおいはなく、飲むと渋い。日本では割合に少ない。
酸性ミョウバン泉 強い酸性のミョウバン泉である。 酸性泉と同じ。
硫黄泉 水硫イオンまたは同時にチオ硫酸イオン、あるいは流砂水素ガスを含み、総硫黄量1㍉㌘以上あるものをいう。狭義には硫黄泉と硫化水素泉に分ける。 硫黄泉も硫化水素泉も白く濁っているものが多い。硫化水素泉では特有な卵の腐ったにおいがし、銀をまっ黒にする。浴室は換気に気をつける。日本では酸性泉に含まれるものが多い。硫黄泉は酸化水素は含まないが、湯の花として硫黄がつく。いずれもぬるくても暖まり、刺激が強い。
放射能泉 1㌘中に5.5マッヘ以上のラジウムエマナチオンが含まれている温泉群の総称。他の成分のことは問わない。 見たところでは、放射性物質以外の成分を含むそれぞれの温泉と同じ特色を持つ。冷泉のほうが多いが、三朝温泉のように高温の場合も日本にはある。