脳動脈硬化症・仮性球まひ・硬膜下出血

 脳動脈硬化症

 脳の動脈硬化による循環障害がおもな原因となって症状を出すもので、頭重、頭痛、めまい、耳鳴り、手足のしびれ、記銘力・記憶力低下、知能低下(痴呆化)などがあり、高齢者に特有のものといえます。

 からだの変化としては、手首の動脈がかたく触れたり、眼底の動脈の変化、胸部X線で大動脈の石灰化像、心電図変化などを伴うことが多いものです。

 血圧は一般に高い値を示します。ただこの脳動脈硬化症という診断は、最近だんだん使用されなくなりつつあります。

 高齢者にみられる知能低下(痴呆化)の多くは脳の動脈硬化による(脳動脈硬化性痴呆)ものです。この場合はすべての知的能力が低下するわけではなく、部分的な知能低下が起こるのが特徴です。

スポンサードリンク

 仮性球まひ

 高齢者に特有なものです。脳全体にわたって動脈硬化に基因した小梗塞が多発するもので、症状は舌、口唇、咽頭、喉頭などの随意運動が障害されるため、言語障害、嚥下障害、失笑(笑いじょうご)、失涙(泣きじょうご)などがあり、脳出血、脳梗塞と合併するのがふつうです。病状の見通しはよくありません。


 硬膜下出血

 脳をおおっているかたい膜と、頭骸骨の間に出血するもので、ふつうは頭部外傷によるものが多いのです。しかし高齢者でははっきりした頭部外傷なしで、またごく軽度の頭部外傷で起こることが少なくありません。

 症状は意識障害・精神障害・片まひなどの神経症状、頭蓋内の圧が亢進したための頭痛、悪心、嘔吐などですが、高齢者では頭蓋内の圧亢進は少なく、精神症状(特に痴呆化)、また意識障害が目立つ症状となりやすいもので、青壮年者に神経症状(片まひ、知覚異常、言語障害)が目立つ点と明確に違っています。

 したがって高齢者で動揺する片まひや精神症状、知能低下があらわれた場合は、前に頭部外傷を起こした経験がなくても、この病気を考えなければなりません。

 硬膜下出血は手術して血液のかたまりを除くことにより、すぐに治癒しますので、早期に診断して治療することが特に大切です。

スポンサードリンク