高齢者の睡眠と肥満・運動

 睡眠
 高齢者で不眠を訴える例が多く、朝早く目が覚め過ぎるということが多いものです。早朝の目覚めには夜早く床につき過ぎることも関係しています。

 また大食は若年者と違って睡眠障害の原因となります。睡眠障害の原因として頻尿があります。前立腺肥大、心不全、糖尿病などのある場合は、まずこれらの治療を行います。

 また夕方から水分摂取を制限します。お茶類を習慣的に飲むことは老人の場合感心しません。特別の病気がなくて睡眠障害のある場合は、少量のアルコール飲料または睡眠剤を服用します。

 現在精神安定剤をはじめ睡眠剤のよいものがあり、不眠に悩むより適宜服用してじゅうぶんな睡眠をとることは高血圧に対してもよい影響を与えます。老人に頑固な不眠のある場合うつ病のことがあります。

 肥満
 肥満は心臓の負担を増加させるほか糖尿病も出やすくなり、ぜひ避けなければなりません。肥満を防ぐためには食べ過ぎないことと運動を行うことです。

 体重は少なくとも標準体重(身長-100)×0.9のプラス10%を超えないようにします。このためにはカロリーの多い脂肪、菓子などの甘いもの、主食類を減らし、野菜を多くとる必要があります。肥満予防に対して食生活以上に必要なものは運動です。

スポンサードリンク

 高齢者の運動
 高齢者でどの程度運動してよいかは、個人個人の運動歴などによって異なりますが、心血管系に特に異常のない場合は、できる限り運動を行うことが望ましいものです。

 若いころより運動を続けている人はそれを続ければよいのですが、高齢者になってから始める場合は、歩行が最も手近で有効です。ただし散歩程度のスピードでは効果はほとんどありません。ある程度速く歩くことです。

 アメリカの有名な心臓学者は1時間に7㌔㍍歩くことを提唱していますが、これは少々速過ぎるとしても、早足に近い速度が望ましいものです。

 運動は肥満を防ぎ血清コレステロールの上昇を抑制し、足腰を丈夫にして筋委縮を防ぐ意味で一石二鳥といえます。前述した歩行などはお金もかからずいつでもできる長所があります。

 20~40歳代に運動で足腰を鍛えた人では、約20年後の40~60歳のなって、その効果が明らかとなります。たとえば脳卒中で片まひになった場合は、運動練習などによる運動機能の回復は足腰を鍛えている例に良好です。

 高齢者はいろいろな病気で臥床することが多くなりますが、1~2週間の臥床で足腰の立たなくなることが少なからず経験されます。そして期間が延びると容易に寝たきりの状態となります。

 このような場合、足腰を鍛えてある人では、足腰が立たなくなることや寝たきりになることは少ないものです。したがって若いときから不必要に車を乗り回すことは好ましいものではありません。

 極端なことを言えば、寝たきりになる素因をつくっているともいえましょう。

 歩行のほかに階段を駆け上がることもよい運動となります。しかし高血圧、冠動脈疾患などのある場合は、主治医とよく相談して行うことが大切です。