高血圧

 高齢者の場合の特徴
 高齢者に最もふつうにみられるもので、血圧は年齢とともに上昇します。高血圧は動脈硬化を促し、いっぽう動脈硬化は高血圧に悪い影響を与えます。また高血圧は脳卒中、心筋梗塞など主な老人病の原因となります。

 収縮性高血圧が特徴
 高齢者の高血圧は最大血圧が高い収縮性高血圧が特徴です。男女とも70歳までは最大血圧、最小血圧ともその平均値は年齢が加わるとともにしだいに増え、70歳以後は男子では最大血圧の平均値の動きは少ないのですが、女子では下降する傾向があります。

 最小血圧は、男女とも70~80歳にかけて、しだいに降下する傾向を示します。

 高血圧の注意点

 症状がないのがあだ
 長い期間にわたって観察すると、高齢者の高血圧ははっきりした動揺を示しますが、平均値はほとんど大きい変化をしないのがふつうで、症状はなく長年高血圧にたえるものです。

 この症状のないことがかえってあだとなり、診察を受けないでいると大事に至ることになります。

 血圧は一般に冬季に高く夏季に低いという季節的な変動を示しますが、この変動は最大血圧、最小血圧の高い人に高率にみることができます。また季節的な変動は、最小血圧よりも最大血圧に多くみられます。

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 個人差が大きい
 血圧には個人差が大きく、また年齢の因子もあるため、適正な血圧の数値を一概に決めることができませんが、最小血圧90以上、特に100以上はどんな年齢でも好ましいものではありません。

 高齢者、特に高年齢では最大血圧が160~170でもよく、160以下でなければ正常ではないとはいえません。

 最大血圧180以上、最小血圧100以上は降圧剤が必要
 血圧の個人差の大きい一つの例として、一過性脳虚血発作の症状が130~70で出現し、150~90前後で消失する例もあれば、その逆の例もあります。

 したがって高齢者では年齢で想定される動脈硬化の程度、正常時の血圧値、自覚症状の有無などをじゅうぶん考慮して血圧を調整する必要があり、画一的には決めにくいといえます。

 しかし高齢者でも最大血圧180以上、最小血圧100以上の場合は、年齢の如何を問わず、以前の血圧の値と関連なく、降圧剤で降下させる必要があるといえます。

 血圧の自然降下に要注意
 心不全などで心臓機能障害があると、最大血圧、最小血圧とも低下してきます。したがって高齢者では降圧剤などを投与しないで血圧が自然に降下してくることは、必ずしも好ましいものとはいえません。

 降圧剤でちょっと血圧が下がり過ぎても、高齢者では立ちくらみ、めまい、全身倦怠感、脱力などがあらわれやすいものです。ですから降圧剤服用中にこのような症状のでた場合は、さっそく主治医に連絡して指示を受けなければなりません。

 高齢者ではある程度の高い血圧が必要
 高齢者では脳に動脈硬化があるため、なんらかの原因で血圧が降下した場合、脳の循環に敏感に反映する傾向が強いのです。ですから、適正な脳の循環を維持するために、ある程度高い血圧が必要です。

 また低血圧はもちろん、正常血圧でも脳梗塞を起こしやすい状態にあります。高齢者に限れば、ある程度の高血圧は必ずしも脳卒中につながらない点は、注目しておいてよいと思われます。

 血圧低下は臓器に虚血を起こす
 また降圧剤投与による血圧低下は、反面重要な臓器に虚血を起こしやすいことも注意しなければならない点です。

 高血圧が治療により急激に低下すると、脳だけではなく心臓に急性の循環障害を起こしやすい状態にあります。

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