甲状腺機能低下症

 甲状腺ホルモンの不足によって起こる病気で、むくみ、皮膚の荒れなどが主な症状です。

 この病気のために、直接命をとられることはありませんが、治療しないでおくと、心不全などを起こすことがありますし、また、抵抗力が減退しているために細菌感染症にかかりやすくなります。

 そのために、このような二次的な原因によって不幸な結果を招くことも考えられます。しかし、幼児期または小児期に発病したものを除くと、これほどホルモン療法の効果が著しい病気もないといえます。

 一般に、女性に多く見られますが、年齢が進んだ時に発病したものほど、症状は軽いようです。

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 原因
 多くは、甲状腺の手術をして甲状腺の残存部分が少な過ぎたり、甲状腺機能亢進症の治療で使用した放射性ヨードの投与が多過ぎたり、また、慢性甲状腺炎が長く続いたりすることが原因で、甲状腺ホルモンの産生が不足するために起こります。

 また、先天性に甲状腺を持たずに生まれたり、甲状腺は持っていても、ホルモンの産生がじゅうぶんに行えない状態で生まれた子供にもみられます。

 この場合、放置すると、心身の発育が幼児のままで止まってしまいます。これをクレチン病といいますが、わが国ではめったにみられません。

 以上のような場合に起こるものを一次性の甲状腺機能低下症といいます。

 このほか、下垂体異常のために甲状腺刺激ホルモンの分泌が低下し、そのために甲状腺ホルモンの産生が減退して起こる場合があります。これを二次性の甲状腺機能低下症といい、代表的なものに、ときに産後にみられるシーハン症候群があります。

 症状
 程度の差はあれ、全身にむくみがあらわれます。そのため、顔は何となく腫れぼったく、寝ぼけたような表情になります。

 足の甲やすねなどにもむくみがあらわれますが、心臓病や腎臓病のときと違って、指で押さえてもなかなかへこみません。また、皮膚がカサカサしてきます。これは、特に手足の皮膚にはっきり見られます。

 そのほか、手足が冷える、頭の毛のつやが悪くなる、心身の活動が鈍くなってきて、からだが何となくだるい、頭がよく働かなくなる、便秘する、貧血がある、などの症状がみられます。

 治療をせずに放置しておくと、心臓が悪くなったり、細菌が感染したりして危険です。

 治療
 一次性の場合は、甲状腺ホルモンだけで治療することができます。二次性のときは、甲状腺ホルモン以外のホルモンの使用も必要です。たとえばシーハン症候群の場合などは、女性ホルモンを併用して治療効果を上げることができます。