高齢者の体の特徴

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 老化は個人差の大きいもので、ある一つの兆候で老化の程度を決めることはできません。

 一般には老人とは「年をとった人。年寄り。老人福祉法では、65歳以上を言います」

 これはほぼこの時期を境にして、からだのいろいろな臓器の構造や働きに老化現象があらわれてくることが多いためです。

 大辞泉によると「老人とは」
 [用法] 老人・としより――「老人」は、文章やあらたまった話の中では最も一般的に使われる語。特に「老人福祉」「老人ホーム」のように複合語を作る場合、「年寄り」は使わないのが普通。◇「年寄り」は「老人」よりややくだけた親しみのある感じで使われる。前後関係によって軽蔑の感じが強く出ることもある。「お年寄りを大切にしよう」「年寄りの冷や水」など。◇類似の語に「老体」がある。「老体」は「御老体を煩わせてすみません」というような形で尊敬をこめて言う場合にも用いる。◇「老人」が個人を指す場合は男であることが多い。女性については「老婦人」「老女」「老婆」などを用いることが多い。「年寄り」「老体」にはこのような使い分けはない。

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 脳・神経系の変化
 神経系は脳、脊髄、神経の三つに大別できます。

 脳、脊髄、神経の老化現象
 脳の老化現象としては、神経細胞が委縮し、ついには消失してしまいます。このため脳全体の重量は減ります。神経細胞は再生のできないものですから、これが委縮消失すると、それだけ脳の働きは鈍くなります。

 しかし脳の重量の減少は体重の減少に比較すれば軽いものです。脳実質を形成している神経細胞の減少から、脳の中心部にあって脳性髄液を入れている脳室が拡大することがしばしばみられます。 

 動脈に硬化が起こる
 また脳を養っている動脈に硬化が起こってきます。動脈硬化は、脂肪が中心でできている粥状物質といわれるものが、動脈の内壁を中心に沈着するもので、動脈の内腔を狭くし、このため脳循環血液量は少なくなります。

 狭窄が強くなると、ついには動脈は閉塞され血流は途絶えることになります。脳の動脈の一部が閉塞されると、その付近の動脈が代わりに働いてくれる側副血行という代償機能が発達してきますが、高齢者では他の動脈にも変化があるため、若年者のようにこの代償機能がうまく働いてくれないことが多く、脳は壊死(軟化)におちいりやすくなります。

 高齢者の脳卒中の治癒が若年者ほど良くないのは、この代償機能が不十分なことも関係しております。脳の動脈硬化は、ほとんどの人がまぬがれることのできない老化現象の一つです。

 脊髄でも神経細胞の委縮消失が起こりますが、脊髄の動脈の硬化は脳に比較すればはるかに軽いものです。末梢神経では神経を構成している神経線維の数が減ってきます。

 脳の成分の変化としてはたんぱく、脂肪などが減少し、反面、神経細胞の内部にはリポフスチンという褐色の色素などが沈着してきます。

 神経細胞内の変化として代表的なもので老人斑といわれるものが現れます。脳の働きをあらわす代表的なものとして脳波があります。高齢者の脳波はてんかんなどの脳の病気のときと同じような脳波に近づくようになります。

 脳の循環血液量は30~40歳ごろから徐々に減少し、高齢者では明らかに少なくなり、いっぽうの脳の血管の抵抗は年を追って増大してきて破れやすくなります。

 一般に脳の循環血液量は血圧と関連が深く、最大血圧170ごろまでは血圧とほぼ並行して増えますが、これを超えると減少します。

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 運動能力・知覚の低下

 運動能力の低下
 運動能力は個人差の多いものですが、高齢者では握力など筋力が衰えてきます。

 たとえば高齢者の上腕二頭筋(肘関節で前腕を屈折する筋肉)の筋力は25~30歳の場合の約2分の1程度になります。またいろいろな腱反射が弱くなるか消失してきます。

 知覚の低下
 知覚では触覚、温度覚、振動覚などは40歳ごろから低下しはじめ、年を追って低下が著しくなります。特殊な検査法で調べると、末梢神経の運動や知覚の刺激を伝える速度は低下してきます。

 視覚、聴覚の低下はよく知られており、嗅覚、味覚も低下します。味覚ではニガミの低下がより明らかです。