目・耳・鼻の変化

 視力の低下

 老眼
 視力は低下してきます。40歳で1.0以上の視力の人は80歳で0.6ぐらいに低下するとされています。最も特徴的なものは老眼です。老年になると水晶体の中心部の水分が減少し、弾力性が低下し、毛様体の働きも鈍くなることとあいまって調和する能力が低下します。

 このため近くのものを見る場合、水晶体を調節することが困難となり、よく見えなくなります。これが老眼です。

 調節力は40歳代から低下してくるため、老眼鏡が必要となります。老視には個人差があり、また近視の人は老視になるのが遅れ、いっぽう遠視の人は早く出現します。また女子では男子よりも早く老視が出てくるとされています。

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 白内障、老人環の出現
 高齢者の目の変化としては、白内障があり、かなりの人にみられます。また老人環といって角膜をかこむ同心円性の混濁の線が進むと、厚く濃くなって角膜を完全に取り囲むようになります。

 これには個人差、人種差があり、黒人では30~40歳で出てきますが、一般には65歳以後に多少ともでてきます。

 老人環と加齢との関係は密接とはいえませんが、老人環の存在しないことは、少なくとも目の老化は進んでいないといえます。

 ものを見ることのできる範囲を視野といいますが、視野の広さは高齢者でも若年者と特に差はないとされています。

 聴力・嗅覚の低下

 聴力の低下
 老人性難聴
 高齢者では聴力の低下することはよく知られており、老人性難聴といわれます。高齢者の難聴にも個人差が多く、60歳代を越えてもほとんど難聴を自覚しない人もありますが、60歳以上では約30%に難聴がみられます。

 聴力は20歳を頂点としてしだいに低下しはじめ、50歳代になって聞こえの悪いことを自覚するようになるのがふつうです。

 高齢者の難聴の特徴は高い周波数の音(高音)の聞こえが悪くなることから始まりますが、60歳を超えると低音部の聞こえも悪くなり、聴力障害を自覚するようになります。

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 難聴の原因
 高齢者の難聴の原因としては、音を感ずる内耳のコルチ管の変化や、音の刺激を伝える神経線維の脱落などによるとの考えが有力ですが、これには動脈の硬化も関与していると考えられます。

 しかしいろいろな雑音の中に生活すると内耳に障害が起こり難聴が起こるという考えもあります。その説明として静かな環境に生活した人の聴力低下は、騒音の中で生活した人より軽いという観察があります。

 嗅覚の低下

 鼻粘膜の委縮
 高齢者では鼻の粘膜が委縮して薄くなり、粘膜の働きが鈍くなるとともに、においを感ずる神経細胞が少なくなるため、嗅覚は低下するとされています。

 しかし客観的に臭覚を測定する方法がないため、視覚、聴覚のように明確に変化をつかむことはできません。