血液・代謝の変化

 血液の変化

 赤血球・血色素量の減少
 貧血傾向を示す
 高齢者では赤血球の数が減少し、血色素(ヘモグロビン)の量も少なくなり、貧血傾向になります。赤血球の数についていえば、60歳代と70歳代との間には差はないのですが、70歳代と80歳代の間にははっきりし差が認められます。

 また、青壮年では男子と女子との間に差があって、女子には少ないですが、高齢者では性差は少なくなります。血色素でも青壮年に比較して減少があり、性差も少なくなります。

 白血球の働きの低下
 白血球の数は特に減少しませんが、こみいった白血球の働きを調べてみると、その働きが低下しているといわれます。

 血球は骨髄内で産生されるのですが、青壮年にみられる骨髄の赤みが減少して脂肪が多くなり、時には全く脂肪だけで黄色を呈し、脂肪髄といわれる状態がみられます。

 出血時間、凝固時間などは高齢者でも特に変化がありません。

 貧血との関係もあって、血沈は多くなります。血沈には血清タンパクの減少も関係し、血清タンパクの減少が著しい場合ほど血沈値が大きくなります。

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 代謝の変化

 基礎代謝の低下
 高齢者では各臓器の重量が減少し委縮することから、代謝をいとなむ組織の衰え、また代謝に関係するホルモン分泌の減少、酵素の働きの鈍くなることから代謝の速度は遅くなります。

 細胞単位当たりの代謝量は年とともにそれほどまでには減少せず、細胞の活動力に大きな変化はないのですが、細胞の数が減少してくるため、全体として代謝は少なくなり基礎代謝は低下を示します。

 健康であるためには血液中のいろいろな成分があまり変動せずバランスを保っている必要があります。そのおもなものは血液中のナトリウム、カリウムなどの電解質といわれるものです。

 高齢者では細胞内のカリウムは低下傾向にあり、細胞外のナトリウムは変わりませんが、若年者より両者のバランスが乱れやすい傾向にあります。

 電解質のバランスが乱れてくると、ときには生命を脅かすほど重篤な状態に陥ることがあります。

 なお高齢者では動脈にあるいろいろな酵素の働きに変化が起こり、カルシウムに対する親和性が増加する結果、動脈壁にカルシウムの沈着が起こるようになります。

 水分代謝
 老化とは乾燥の過程
 老化とは、乾燥の過程であるといわれるほど水分代謝は老化と関係が深いものです。

 体内の水分の絶対量は若年者に比較して高齢者では減少していて、単位体重あたりの水分量も高齢者では少ない傾向があり、単位表面積あたりの水分量も減少しています。

 高齢者では体重の57%が水分であるのに対し青年では61%です。特に細胞内の液体の量は青年に比較して著明に減少しています。

 季節的に体内の水分量は変動を示し、夏に多くなりますが、高齢者ではこの変動が青壮年より著しく、日射病などにかかりやすい状態にあります。

 たんぱく・核酸代謝なども減少し、細胞の核を形成している核酸の分解が低下します。脂肪代謝では血清のコレステロール、トリグリセリドなどは年とともに上昇する傾向があります。