呼吸器の変化

 肺組織の硬化
 酸素と炭酸ガスの交換をいとなむ肺胞の部分が高齢者では減少し、20歳代で肺実質の60~70%を占めるのが、60歳以降では約50%ほどに減少します。このため残った肺疱は消失した分まで働く必要があり拡大してきます。

 さらにこれにつながる細い気管支も広がります。これに肺胞の壊れた状態の加わったものが慢性肺気腫といわれるもので、高齢者に特徴的にみられるものです。

 肺気腫は若い年代でも肺結核など、肺の病気で起こりますが、正常人では起こりません。また肺のエラスチンという弾力性を保っている物質が年代とともに減少して、肺組織が硬化した状態になります。

 気管粘膜の委縮
 気管では粘膜が委縮し、線毛上皮といってたんや吸い込んだごみなどを排泄する働きをするものが少なくなるので、たんの喀出力が鈍くなります。

 また誤飲した唾液などを吐き出す力が弱まり、気管支炎や肺炎(嚥下性肺炎)が起こりやすくなります。気管や、気管支の動脈の硬化も起こってきます。

 腰曲がり、肋骨軟骨の石灰化、呼吸筋の筋力の衰えなどから呼吸運動の範囲が狭くなります。したがって炭酸ガスと酸素の交換の割合もより小さくなります。

 このため全身への酸素の供給が不足がちとなり、安静時はよいのですが、運動時など酸素を多く必要とする場合は息切れが起こりやすくなります。

 肺活量の変化
 25歳の人の肺活量を100とすると、68歳では82となります。なお肺活量は10年間に約150cc減少し、一方できるだけ空気を吐き出した後、肺内に残る空気の量(残気量)は10年間に3~4%増加します。

スポンサードリンク