関節炎

 関節炎という病名は、外傷(脱臼や骨折など)以外のいろいろな原因で、関節の具合が悪くなった場合に用いられるものです。したがって関節炎になると、大なり小なり、疼痛と関節の運動障害を伴います。

 また、ひじや手、ひざ、足の関節のような、皮膚のすぐ下に骨を触れるところでは関節の腫脹や熱感、発赤などがよくわかります。しかし肩や股関節などでは、関節が厚い筋肉でおおわれていますので、それほどはっきりわかりません。

 かかりやすい関節炎としては、化膿性関節炎、リウマチ性関節炎、結核性関節炎、変形性関節症、関節鼠があげられます。このほか問題となるものに、関節の強直と拘縮があります。

 化膿性関節炎
 この関節炎は、細菌の感染によって起こります。感染する菌の種類とその毒力、その人の抵抗力などによって、同じ化膿性関節炎であっても急激に悪くなるもの(急性)、いつ発病したのかわからないほどゆっくり悪くなって、症状があまりひどくないもの(慢性)、急性と慢性との中間のもの(亜急性)とがあります。

 原因
 ブドウ球菌の感染によるものが最も多く、れんさ球菌、肺炎菌がこれに続きます。ほかにチフス菌、淋菌、インフルエンザ菌などが原因で起こることもありますが、淋菌によるものは、昔に比べると非常に少なくなりました。

 感染経路としては、外傷などで関節に穴が開き、外から菌が感染する場合、扁桃炎や膿痂疹などの菌が血液中を通って、関節に及ぶ場合などが考えられます。

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 症状
 全身性の発熱があり、局所は赤くはれて、強い痛みを伴います。急性の場合は、発病のしかたも急激です。

 初期には、関節内にうみがたまります。経過が長引くにつれ、周囲に炎症が広がり、関節軟骨がおかされて、しだいに骨が壊されていきます。

 関節軟骨がおかされると、炎症がおさまったあとでも、関節の形が変わって、動作が鈍くなります。また、関節の骨と骨の間がつながってしまうと、関節が全く動かなくなったり、関節の一方の受けがなくなって脱臼することもあります。

 治療
 化学療法剤を投与し、必要に応じて、関節穿刺と化学療法剤の注入、関節切開、ギブス固定を行ないます。ギブス固定は、急性症状が治まれば、その固定度をしだいに弱め、少しずつ運動練習に入るようにします。

 変形性関節症
 変形性関節症とは、関節に慢性的に形態の変化が生じてくる病気です。いずれの関節にも起こりますが、特に股関節や膝関節などのような、重みの加わるところに多く見られます。

 原因
 発病年齢の多くは中年以後で、古い外傷や関節炎、老化、動脈硬化などによる血行障害とか、先天性股関節脱臼の治療が不確実だったため、関節面に不適合が生じたことなどのよって発病します。

 しかし現在では、先天性股関節脱臼の治療法は著しく進歩したため、変形性関節症になる割合は、少なくなっていると考えられます。

 このほか、長途の歩行や肥満、妊娠による体重増加などは、発病の動機になりやすいと考えられます。

 症状
 初期は関節の不快感、こわばり、関節の運動痛、荷重痛などが自覚されます。それが何年にもわたって慢性経過をたどり、病状は数年かかってしだいに悪化していきます。

 疼痛と運動障害が主症状で、発熱や血沈の亢進などの全身症状は見られません。X線写真で見ると、関節の間が狭まって、関節軟骨がすり減っており、骨の突起ができて、関節軟骨のすり合わせが悪くなっているのがわかります。

 膝関節がおかされると、滑膜炎を起こしたり、関節液がたまって、膝ががくがくすることがあります。まれには、関節の可動性がほとんど失われてしまうこともあります。

 股関節も膝関節も、病気が進むと、痛みのために歩行や起立が非常に困難になり、階段の上り下りに手すりが必要になったりします。

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 治療と日常の療養
 原因となっている病気を治療するとともに、超音波、熱気浴、温泉泥浴などによる局所の血行改善、関節液の排除、副腎皮質ホルモンの関節注入などを行ないます。

 この病気は、退行性変性といわれる一種の老化を中心とした変性ですので、骨の変化自体を完全になおすことは難しいといえます。つまり、この病気の治療の主眼は、できるだけ痛みを押え、病状の悪化を遅らせることになります。

 そのため、日常の生活環境を改善して、できるだけ歩行や起立の少ない生活をするように努め、関節の負担を軽くします。歩行の際は、杖や装具をつけるようにします。関節の痛みが強くなったときは、すぐ安静をとるようにし、鎮痛剤を飲み、風呂などに入って血行をよくすることが必要です。

 関節痛を我慢していると、関節の周囲の筋肉の異常な反射的収縮が起こり、関節を強く圧迫して、関節の変形を生ずる結果になります。