貧血

出血性貧血鉄欠乏性貧血悪性貧血再生不良性貧血溶血性貧血・続発性貧血

 高齢者の貧血の大部分は症候性のもので、がんが貧血の最も重要な原因となっています。貧血のなかでも鉄欠乏性貧血が最もふつうにみられるものです。治療には若年者と同じように鉄剤を投与しますが、効果ははっきりわかりません。

 血液の中に含まれる赤血球の数が減少した状態を貧血といいます。

 赤血球はおよそ120日生きています。したがって、血液の中の赤血球の約120分の1が、毎日老廃して失われ、同じ数の赤血球が骨髄で成熟して血液の中に入ってくるわけです。

 この赤血球数、血色素量は性別、年齢によって多少の差はあるものですが、貧血の場合は男性でも女性でも、赤血球数は1立方ミリメートル中350万以下、血色素量は100ミリリットルあたり12㌘以下に減少しています。

 血液中の赤血球の数が減少する理由として、次のいずれかが考えられます。
① 骨髄から血液に入ってくる赤血球の数が少なくなった場合。
② 血液が死滅してから消失する赤血球の数が多くなった場合。
③ 血管が損傷されて、血管外に赤血球が失われる場合。

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 症状
 皮膚や粘膜が青白くなり、貧血がある程度進むと、だるく、疲れやすくなり、動悸、めまい、耳鳴りなどがあらわれます。さらに進行した状態では、顔や手足のはれ、少しの動作でも息苦しくなるなどの症状があらわれます。

 また、心臓にも雑音や肥大などの異常が起こり、心臓病と誤診されることもあります。これは赤血球や血色素の減少で低下した血液の機能を補うために心臓の拍力、拍数が増え、過剰な負担がかかるからです。

 このほか貧血にはいろいろな種類がありますが、それぞれに特徴的な症状がみられます。例えば鉄欠乏性貧血では、つめが扁平あるいはさじ型になり、薄く、もろくなることがありますし、悪性貧血では舌炎が起こり、舌が赤くなったり、表面がつるつるになって食事のときに痛んだりします。

 また、再生不良性貧血では鼻や歯肉からの出血、皮下の出血などが見られます。

 検査と診断
 貧血は、その原因によっていろいろな種類があり、治療法も異なるので、医師による精密な検査と診断を受ける必要があります。

 貧血と診断するには、少なくとも次の検査が必要です。

 血球数
 現在では自動血球計算機が広く用いられるようになりました。赤血球数は血液1立方㍉㍍中の数であらわし、正常値は男性10万~530万、女性380万~480万とされています。

 血色素量
 溶血させてシアンヘモグロビンとし、光電比色計で透過率をはかって、血液100㍉㍑中に血色素が何㌘あるかを見ます。正常の場合は男性13.5~17㌘、女性12~15.5㌘です。

 なお以前広く行われていたザーリ血色素形を用いる方法では、男性85~106%、女性74~96%が正常範囲となっています。この方法による100%の場合は、血液100㍉㍑中に16㌘の血色素量が含まれています。

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 赤血球容積(ヘマトクリット法)
 血液を毛細管ガラスに採り、遠心分離機で血漿と血球成分に分け、血液全体に対する赤血球の容積の割合を測定します。

 男性では38~54%、女性は36~47%が正常です。

 網赤血球
 骨髄での造血の状態を知るために、その数を測定します。赤血球の幼若なものである網赤血球は正常な血液中には0.3~1%あるものですが、異常があると増加または減少します。

 血液塗抹標本
 血液をスライドグラスに塗り、染色して白血球や赤血球、血小板の形態を観察し、異常があれば、さらに骨髄穿刺を行って骨髄での造血状態を調べます。