閉塞性動脈疾患

 動脈血栓症
 若年者ではリウマチ性心疾患が塞栓の原因となりやすいものですが、高齢者では動脈硬化性病変、心筋梗塞、心房細動が原因として多いものです。

 下肢に多いもので、動脈が閉塞されると、この部の両側に二次的に血栓が急速にあらわれ、閉塞の範囲が大きくなり、虚血性(血液がなくなる)の病変が強まります。

 約半数は急激な激痛を持って始まり、しびれ、知覚障害などもあり、皮膚は蒼白またはチアノーゼを示し、皮膚温度は低下します。症状が強い場合は、1~2日で組織は壊死におちいります。

 24時間以内に手術で血栓を取り除けばよいのですが、高齢者では病状の見通しはよくありません。

 閉塞性動脈硬化症
 圧倒的に高齢者に多いもので、腹部大動脈、総腸骨動脈に多く認められます。ある程度歩くと下肢に痛みがあらわれて、歩行困難または不能となり、しばらく休むとまた歩行できる間欠性跛行といわれる症状があらわれます。

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 腹部大動脈瘤
 高齢者の寿命の延長、動脈撮影技術の進歩普及などから、この病気が増えています。約75%は60~70歳代にみられ、この中の80~90%は男子で、圧倒的に男子に多いものです。

 腹部大動脈は拡大し腹部で拍動する腫瘤をふれます。全く無症状のこともありますが、軽度の腹痛、不快感などがあります。

 痛みがあることは病状が進んでいることを意味し、破れる前兆のことが多いのですが、症状がなく突然破れることで始まる場合もあります。

 治療しない場合の病状の見通しは良くなくて、数年間生存する例もありますが、多くは、診断のついたあと1~3年の間に死亡してしまう恐ろしい病気です。

 破れない例では、手術で血管のバイパスの作成に成功すれば、病状の見通しはかなり良いといえます。しかし合併症として心筋梗塞、脳血管障害、切除部からの出血などが起こります。

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