肺性心

 肺と心臓とは密接な関係があり、いっぽうに異常があると、それは必ず他方へ影響をおよばします。肺性心は肺の疾患が原因で心臓に心不全などの障害を起こすものです。

 肺の疾患で肺血行がうまくいかないと、右心への負担が増し、しまいに右心不全が起こるのです。これには、急性のものと慢性のものがあります。

 いずれも病状の見通しは悪く、特に慢性のものはよくありません。単に肺性心というときは、多くは慢性のものを指します。

 急性肺性心
 肺の血流が何らかの原因でつまる急性肺栓塞、肺動脈または気管支の閉塞、あるいは動脈瘤の破裂などに続いて起こります。

 また、急激な肺動脈圧の上昇によって右心が拡大して起こることもあります。40歳以上に多くみられ、35歳以下ではあまり起こらないようです。

 突然予告なしに起こるのが特徴で、呼吸困難、呼吸逼迫、脈拍頻数と微弱、胸痛、チアノーゼ、血圧降下、ひどい時には失神、けいれん、ショック状態となります。突然起こるのが特徴ですが、時には吐き気、嘔吐、めまい、胸骨下圧迫感、腹痛、体温上昇などの前ぶれもみられます。

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 緊急、重大な病状で数分で不幸な結果を招くこともあります。この病気は急を要しますので、即刻入院し、ショックや右心不全に対する対症療法をしてもらいます。

 慢性肺性心
 慢性の肺性心、たとえば肺結核、気管支ぜんそく、肺気腫、じん肺、珪はいなどのほか、脊柱の弯曲、胸郭の異常などによる肺動脈圧の上昇や肺循環抵抗の増大などが原因で起こります。

 症状としては、呼吸困難、心悸亢進、せき、たん、チアノーゼ、肺活量の減少、血圧低下、脈拍異常、心雑音、X線や心電図の異常がみられます。

 入院治療が必要で、絶対安静のうえ、酸素吸入、強心剤などの処置をとり、原因の病気の治療を進めていきます。