高齢者、病気症状の特徴

神経系の病気・脳卒中(脳出血、脳梗塞)クモ膜下出血一過性脳虚血発作脳動脈硬化症・仮性球まひ・硬膜下出血パーキンソン病脳腫瘍髄膜炎(脳膜炎)循環器の病気・高血圧うっ血性心不全狭心症心筋梗塞心臓弁膜症不整脈大動脈硬化・大動脈瘤・慢性肺性心閉塞性動脈疾患動脈瘤・腹部大動脈瘤・胸部大動脈瘤呼吸器の病気・老人性肺炎肺気腫慢性気管支炎肺線維症肺結核肺梗塞・気管支喘息喘息消化器の病気胃潰瘍・十二指腸潰瘍胃がん食道がん肝硬変胆道がん黄疸胆嚢炎・胆管炎胆石症膵炎(膵臓炎)虫垂炎(盲腸炎)急性腹膜炎急性腹膜炎消化器を中心とした悪性腫瘍直腸がん小腸がん・膵臓がん結腸がん肺がん内分泌腺の病気・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)甲状腺機能低下症代謝異常腎臓・泌尿器の病気・・血液疾患・貧血白血病精神疾患骨/関節の病気・その他・動脈硬化症変形性脊椎症肺性心肺化膿症

 頭痛
 青壮年者では、ある程度以上はげしい頭痛は片頭痛を除けば、クモ膜下出血、髄膜炎(脳膜炎)、脳腫瘍などによることがあり重篤な病気の症状です。

 しかし高齢者では重篤な病気もありますが、高血圧、脳動脈硬化症などによるものがかなりあり、必ずしも脳の重い病気のためではないことが多く、頭痛の程度も一般には軽度といえます。

 めまい
 青壮年者では耳の疾患が多く脳の病気は少ないものですが、高齢者ではめまいは症状としてしばしば訴えられるものであり、原因として脳の病気、特に脳の血管系の病気が圧倒的に多く、症状としては、重篤のことが少なくないといえます。

 めまいに難聴を伴う場合は、耳の病気が考えられますが、高齢者ではめまいの際、難聴を伴うことはまれです。めまいは動脈硬化を主体とする脳の循環障害の症状で、高血圧症、また脳梗塞の前駆症状である一過性脳虚血発作、脳動脈硬化症、脳梗塞(脳軟化症)などの症状として重要なものです。

 したがって高齢者のめまいはたいへん重要な症状であり、これがあらわれた場合はすぐ診療を受ける必要があります。

スポンサードリンク

 失神発作
 若年者では失神発作は脳貧血、てんかんなどが多いのですが、高齢者では脳貧血もありますが、脳血管障害によるものが大部分で、重篤なものですから専門医の診療が必要です。

 けいれん
 けいれんは若年者ではてんかんが圧倒的に多いものですが、高齢者では脳の血管性障害によるものが圧倒的に多くみられます。また脳腫瘍の症状であることもまれではありません。

 なお失神、けいれんは心臓の刺激伝導障害(アダムスストークス症候群)などの場合にもあらわれます。

 しびれ
 手足のしびれは高齢者がしばしば訴える症状ですが、かなり漠然としたものをさしていることがあります。

 しびれは末梢神経の病気、または末梢の循環障害が原因でも起こりますが、多くは高血圧、脳の循環障害が原因になることが特徴ともいえます。

 両方の手足にしびれが起こるのは高血圧、またいわゆる脳動脈硬化症などのことが多いのですが、片側の手足にしびれを訴える場合は、脳の血管性障害(一過性脳虚血発作、脳梗塞、脳出血など)によるのがふつうであり、注意すべきものです。

 意識障害
 意識障害は年齢を問わず最も危険な脳障害を意味する症状です。意識障害は脳の病気だけでなく、肺、肝臓、心臓の病気でも起こります。高齢者では高熱が出ただけでも起こることがあります。

 長期に臥床していて体内の水分が減少した場合、通常量の精神安定剤を服用した場合などにも起こることがあります。さらに特に熱の高くない肺炎でも起こります。

 浮腫
 高齢者では心臓や腎臓の病気がなくても、むくみの出ることが少なくありません。食欲不振が続いて血液中のたんぱくの量が減少した場合にも起こります。

 また脳卒中ではまひのある側の上下肢、特に下肢にむくみの起こることが少なくありません。このむくみは末梢の循環障害によるもので、起立したり運動練習を始めると消失するのがふつうです。

 また高血圧の人に特に多いようですが、4~5月にかけて特別に心臓、腎臓に異常がないにもかかわらずむくみの出ることがあります。原因としては血管の透過性の亢進などが考えられます。

スポンサードリンク

 息切れ
 息切れは肺の病気だけではなく、心臓の病気でもあらわれるもので、高齢者が息切れを訴える場合、心臓の病気(心不全)や高血圧などを考えて調べる必要があります。

 胸痛
 青壮年者では胸痛は胸膜炎、肋間神経痛などが多いのですが、高齢者では狭心症、心筋梗塞、肺梗塞、大動脈の動脈瘤など重篤な病気の多いことから大いに注意しなければならない症状です。

 ごく軽度の胸痛、または軽い圧迫程度でも、すぐ診察を受けて、心電図などの検査をしてもらう必要があります。

 腹痛
 高齢者には腹痛を訴える病気が多いものです。重要なものは腸閉塞ですが、青壮年者のように激しい腹痛は少ないこと、急性虫垂炎でも腹痛が弱く、また痛みも右側だけでないこと、発熱や白血球数増加の明らかでないことがあり、また虫垂が破れて腹膜炎を起こしても、初期には青壮年者にみられるような重篤な症状を示すことが多くないことなどは、高齢者の腹痛に関して注目すべき点です。

 したがって虫垂炎や腸閉塞の診断はときに困難な場合があります。胃潰瘍、十二指腸潰瘍も腹痛を訴えることの少ないものです。

 高齢者では軽い腹痛でも持続する場合は、できるだけ早く診察を受けるべきです。

 黄だん
 青壮年者では黄だんは急性肝炎、慢性肝炎など肝炎によることが多いのですが、高齢者では肝臓がん、膵臓がんによることが多く、黄だんは高齢者では重篤な症状です。