大腿骨骨折

 高齢者の骨折の中で最もやっかいなものです。大腿骨の頸部に起こりやすく、高齢者がちょっと転倒しただけでも起こりやすいものです。女子は男子の1.7~2.0倍多く認められますが、骨がもろいためです。

 60歳前後にピークがあり、脳卒中のあと歩行が可能となった例のまひ側に起こしやすいのです。大腿骨骨折のため床につき、ついには寝たきりとなる高齢者は少なくありません。

 症状
 骨折側の腰の下部から大腿上部にかけて腫脹、疼痛があり、起立、歩行はできず、あおむけに寝て股関節を伸ばしたまま下肢をあげることはできません。下肢を他人が動かすと激しい痛みを訴えます。

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 治療と予後
 関節嚢外の骨折の場合は牽引や保存的な治療をしますが、病状の見通しは悪くはありません。関節嚢内の骨折の場合は、骨頭が壊死におちいったりするため、病状の見通しはよくありません。骨頭部を切除して金属の人工骨頭を入れる方法もあります。
 
 大腿骨骨折(頸部骨折)の病状の見通しは合併症のいかんによるといえます。比較的長期間臥床し、下肢を動かさないため、筋委縮、褥瘡、尿路感染、心不全などが特に高齢者ほど起こりやすく、骨折が治癒したころ、全身状態の悪化で死亡することもまれではなく、内科、整形外科と緊密な連絡のもとに治療を行う必要があります。

 予防は最大の治療という言葉はどの病気にも言えますが、高齢者の大腿骨(頸部)骨折には特にいえるものです。